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PAGETOP
Vol.
27

山口規子 × AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

28-300mm f/3.5-5.6。ともに旅するズームレンズ。

27
“旅”することが日常となっている。海外は60ヵ国以上、日本も北から南の隅々まで足を運んできた。旅先の風景や文化、人々の暮らしやその土地の食に触れることは、いつも新鮮な驚きを与えてくれる。そんな感動を撮り続けてきた。長年付き合っている最強の旅の友は、28-300mm。約10倍の幅広い画角範囲をカバーする高倍率ズームレンズである。いつ、どこで、どのようなシャッターチャンスに巡り合っても、素早く柔軟に応えてくれる。
(次へ続く↘)

メインカット

・カメラ : D750 ・レンズ : AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/60秒、f/5.6 ・ホワイトバランス : 晴天 ・ISO感度 : 1600 ・ピクチャーコントロール : ビビッド

作品2:大きな、弘前ねぷた鏡絵に向かう

・カメラ:D750 ・レンズ:AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:マニュアル、1/30秒、f/11 ・ホワイトバランス:オート1 ・ISO感度:800 ・ピクチャーコントロール:ビビッド
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今回は青森県西部、津軽地方の弘前市を訪れ、この土地に根付く津軽凧づくりを撮影した。カメラボディーは、小型・軽量で高画素・高画質。さらに、より自由なアングルでの撮影ができる可動式液晶モニターを備えたD750。このレンズとボディーは、旅に最適な組み合わせである。撮りたかったのは、津軽の冬景色に映える力強い意匠と色彩を持つ凧と、それを生み出す職人の気迫。訪問した、“ねぷた絵師”山内崇嵩(やまうち しゅうこう)氏の工房は古い家屋の奥まった場所にあり、実質は畳三枚ほどの狭さであった。撮影ポジションは極端に限られる。しかも、集中する絵師の近くに寄り過ぎることもできない。自分の気配を消しながら聖域を侵さない距離を保ち、さまざまな画角を探りながら撮り続けた。
(次へ続く↙)
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手がける津軽凧の図柄は、中国の故事『蘇武(そぶ)と未(ひつじ)』にちなんだもの。新年にふさわしい絵柄である。真剣に描き続ける崇嵩氏の目や手元、筆の動きなどを静かに追い、その顔が凧の蘇武と向き合う瞬間を素早くズーミングし300mmできり取る。力強い津軽凧絵と津軽に生きる絵師が、一枚の絵となった。これからも旅の感動を伝える
―― 私のNIKKORで。

作品3:岩木山から望む津軽平野の夜明け

・カメラ:D750 ・レンズ:AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:マニュアル、1/400秒、f/11 ・ホワイトバランス:晴天 ・ISO感度:800 ・ピクチャーコントロール:ビビッド

INTERVIEW
MOVIE

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PHOTOGRAPHER

山口規子(やまぐち のりこ)

NIKKOR

AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
津軽平野、岩木山に見守られる弘前

  • 弘前市の西側に横たわる“津軽富士”岩木山


  • 弘前は弘前藩の城下町として発達した

青森県西部の弘前市。津軽平野に位置するこの地は、西に津軽富士“岩木山”を望み、市街地にはかつて鷹岡城と呼ばれた弘前城址(弘前公園)のある、東北を代表する名所のひとつです。江戸時代に城下町として栄え、その後も主要都市としての役割を果たし、江戸、明治、大正期の建築物なども多く残される情緒豊かなところ。春は弘前公園一面の桜が美しく、夏は“弘前ねぷた”で賑わい、秋から冬は、全国一の生産量を誇るリンゴ畑が壮観です。今回はこの地の風景や文化、伝統を撮影することがテーマでした。特にこの地方独特の“極彩色図柄”が描かれた“津軽凧”とその職人さんを撮ることが大きな狙い。早朝、岩木山の撮影を行った後、JR弘前駅から徒歩で10分ほどの『ねぷた屋』にある“ねぷた絵師”山内崇嵩(やまうち しゅうこう)さんの工房を訪問しました。
02
狭い工房内での撮影に、柔軟に応える28-300mm

  • 狭い工房のため撮影ポジションも限られる


  • D750+AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

工房を訪れてみてまず驚いたことは、その狭さでした。そこは、崇嵩さんのお店である『ねぷた屋』の奥にあるのですが、実質のスペースは三畳ちょっと。小さな机の周囲は凧やその他の制作物、画材や絵筆などで雑然としています。また、外光は入口から射し込むのみで、決してよい条件ではありませんでした。山口先生は悩みながら撮影ポジションを探ります。その厳しい条件に応えたのが、NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR。自在な画角の調整を行えるため、たとえポジションが限られていても狙った画をきり取ることができます。さらに、ハイアングル、ローアングルの撮影にはD750のチルト式液晶モニターが役立ちます。そして、いくつかの撮影ポジションを決め、いよいよ“津軽凧”づくりの撮影が始まりました。作業は凧絵の彩色の工程です。
03
ねぷた絵師と津軽凧が一枚の画になった

  • ある程度の距離を保ちながら撮影を行う


  • 翌日の早朝は岩木山から弘前市内を撮影

撮影が始まってしばらくすると絵師の崇嵩さんは彩色に没頭し、無言の世界が広がります。撮影はその集中力を邪魔しない距離を保ちながら行われました。28-300mmのズームリングを素早く細やかに調整しながら撮り続けます。さすがに使い慣れたレンズさばき。約10.7倍のズーム域の中に無限に近い画角が存在すると言えるのでしょう。工房にシャッター音が静かに響きます。津軽凧の図柄は、平成二十七年の干支にちなんだ『蘇武(そぶ)と未(ひつじ)』。蘇武は紀元前の中国の人物、聞けば不屈の精神の象徴だとか。そして今回の一枚。カメラの存在を忘れたかのような崇嵩さんの表情と津軽凧に描かれた蘇武が、まるで一枚の絵の中にいるように見えます。「職人さんのいい表情は、自分が透明人間になった時に撮ることができます」とおっしゃっていた言葉どおりの作品となりました。

こちらに掲載されている情報は、2014年12月現在のものです。

DATA

撮影日: 2014.10.30-31
写真家: Noriko Yamaguchi
レンズ : AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
カメラボディー : Nikon D750
キーワード :
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