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PAGETOP
Vol.
13

池本さやか × AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II

70-200mm f/2.8。一期一会を撮るズームレンズ。

13
銀塩カメラ時代に苦労した体験を、あの頃の緊張感を忘れないでいたい。そして撮るときはいつも、「もしかしたら、これが最後の撮影かもしれない」と自らを追い込むことで集中力を高める。実際に被写体との関係は、たとえ親しい間柄であったとしても常に一期一会だと思う。なぜなら、今日の自分は昨日の自分とはもう違うから。ダンスアートの被写体として10年来撮り続けてきた彼女も、これまで撮るたびに変わってきたし、またこれからも変わってゆくだろう。
(次へ続く↘)

メインカット

・カメラ : D4 ・レンズ : AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード:マニュアル、1/500秒、f/4 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 1600 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

作品2

・カメラ:D4・レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:マニュアル、1/500 秒、f/4・ホワイトバランス:オート1・ISO感度:1600・ピクチャーコントロール:スタンダード
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今回のレンズは70-200mm f/2.8。劇場などの限られた光と撮影ポイントを余儀なくされる状況で、f/2.8で一定の明るく高解像なズームレンズは、とても頼れる存在である。そしてカメラボディーはD4。群を抜く高感度性能と優れた画質は、このレンズとのベストマッチといえるだろう。だから今回のような舞台撮影のときは必ず使う。数時間かけた舞台の準備と照明の設定が決まり、いよいよ撮影が始まった。スポットライトの光を受け、衣装を纏った彼女の姿がまっ黒な空間に現れる。そして静かに踊りだす。体幹から指先まで見事に統制された動きは、ときにたおやかに、ときに激しく変化し続ける。光と肉体が描き出すさまざまな瞬間を中望遠から望遠のズーム域を活かして、周囲の空間とのバランスを計算し、画角を細かく調整しながら撮り続けた。
(次へ続く↙)
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クラシックバレエなどとは異なり、動きの読みにくい彼女の舞踏を捉えるためにも、明るく一定のF値を持ったズームレンズは有利に働いてくれる。そして、彼女の軽やかな跳躍。迷わずにシャッターをきる。しなやかに伸びる四肢、舞台照明の光と影の中で、まるで無重力の世界に浮いているようだ。さらに背景は暗く落ち空間の奥行きを感じさせる。一瞬が永遠に姿を変え、彼女の生き生きとした表情も克明に捉えてくれた。これからも、一期一会の瞬間を撮る
―― 私のNIKKORで。

作品3

・カメラ:D4・レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:マニュアル、1/500 秒、f/4・ホワイトバランス:オート1・ISO感度:1600・ピクチャーコントロール:スタンダード

INTERVIEW
MOVIE

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PHOTOGRAPHER

池本さやか(いけもと さやか)

NIKKOR

AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
劇場という特殊な空間での撮影

  • 舞台上で準備を行う池本先生と照明スタッフ


  • 撮影直前まで、お互いの意思を確認しあう

今回、ダンスアートの被写体としてパフォーマンスを披露していただいたのは、ダンスアーティストの中島晶子さん。大学で舞踊教育学科を専攻し、卒業後2003年より、自身で演出・振付・出演するダンスソロ公演を主に活動を展開しています。池本先生が約10年前から撮り続けているダンスアーティストのひとりです。先生とは親しい友人でもあり、切磋琢磨しながらそれぞれの世界でお互いを高め合ってきた仲。打ち合わせの際、短い会話で相手の狙いをよく理解し合い、とても息の合った仲間という雰囲気でした。撮影場所は、京王線仙川駅からほど近い『調布市せんがわ劇場』。“舞台芸術”を通じた、地域文化の発信を目的とする、収容人数100~200人の劇場です。舞台用の照明を取り付けたり、ダンス用の特殊な床材を敷いたり、さらに照明の強さや角度を細かく調整するなど数時間かけて準備を進め、最終の打ち合わせを行った後いよいよ撮影が始まりました。
02
明るい、f/2.8一定のズームレンズの頼もしさ

  • D4 + AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II


  • 舞台でパフォーマンスを行う中島晶子さん

場内の明りが落とされ、舞台照明だけとなります。撮影という観点で考えると“圧倒的に暗い”ということを再認識しました。しかも、客席があるため撮影するポイントも限られてきます。普段は本番前のリハーサルなどを撮ることが多く、ポイントはさらに限られてくるそうです。そのような厳しい条件となる劇場での撮影において威力を発揮するのが今回のレンズ、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIです。70mmから約3倍のズーム域が明るいf/2.8一定で、光の少ない劇場内での撮影に有利です。周辺の光落ちも少なく、画面の端で被写体を捉えても安定した画像が得られます。また、ナノクリスタルコートの効果によって、強い照明などによるゴーストやフレアを抑制。約3.5段分の手ブレ防止機構も、速いシャッタースピードを選択できない状況で頼れる機能です。そしてボディーのD4。抜群の高感度性能で、たとえISO感度を高く設定しても暗部などのノイズの発生を気にすることなく安心して撮影に集中できます。しかも背面の操作ボタンはイルミネーション仕様となっているため真っ暗な状態でもスムーズな操作が可能。70-200mm f/2.8とD4は、まさに今回のような撮影に最適かつ最強のコンビです。
03
変化し続ける肉体のフォルムと表情を捉え続ける

  • まるで、舞踏とシンクロするかのように撮る


  • 撮影したカットを見ながら話し合うふたり

照明が当たるところ以外は、ほぼ真っ暗に近い印象の舞台。光と闇の世界を中島さんは自在に移動し、パフォーマンスを繰り広げます。その動きはときに止まっているようにゆっくり、ときには驚くほどの速さでと、目まぐるしく変化します。鍛え抜かれた肉体が体幹や四肢はもちろん、つま先や指先の一本一本まで見事にコントロールされ、美しい動きを見せてくれます。予測の難しい展開、光と闇の落差、限られたアングル。そのような厳しい条件の中で先生はカメラを向けズームリングを微妙に調整し、まるで中島さんの舞踏とシンクロするようにシャッターをきり続けます。そして、舞台上で、中島さんが美しい跳躍を見せました。その瞬間を写した一枚が今回のメイン作品です。照明に照らされた中島さんはシャープに、まるで宙に浮いているように捉えられ、背景のノイズのない滑らかな闇が無限の広がりを感じさせることで、その姿を際立たせています。躍動と同時に静謐を感じさせる。とても神秘的な一枚です。

こちらに掲載されている情報は、2013年10月現在のものです。

DATA

撮影日: 2013.9.11
写真家: Sayaka Ikemoto
レンズ : AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
カメラボディー : Nikon D4
キーワード : アート
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