D850では、4K UHD/30p動画を[FXベースの動画フォーマット]フルフレームで撮影できます。このため、NIKKORレンズの、広角レンズや魚眼レンズのワイドな画角や独特の表現力、周辺部まで高い解像力を最大限に活用して、ドラマチックな映像表現が可能です。感度域は静止画と同じISO 64-25600(高感度側はISO 102400相当まで拡張可能)。暗いシーンでもノイズの少ないクリアーな映像が得られます。外部機器をHDMIケーブルで接続し、高画質な4:2:2、8bit、4K UHD非圧縮ファイルを同時記録することも可能。4K UHD動画は、スーパー35mm相当の[DXベースの動画フォーマット]でも記録できます。また動画ファイル形式は、MOV形式とMP4形式から選べます。
D850はフルHD時に4倍スロー(120/100pで画像読み出し、30/25pで記録・再生)、5倍スロー(120pで画像読み出し、24pで記録・再生)のスローモーション動画をカメラまかせで撮影できます※。最長記録時間はいずれも3分。被写体の一瞬の動きやダイナミックな動きを強調した、ドラマチックな映像表現が可能です。
被写体の色や輝度、テクスチャーの情報を最大限に取得できる、ピクチャーコントロール[フラット]。Log収録・編集といった専門的知識がなくても、トーンカーブを調節する比較的軽微な調整作業で、的確に意図を反映した映像制作が可能です。編集の自由度が高まる豊富な情報を持つ素材映像として、非常に有効です。
フルHD、HD動画撮影時に、上下、左右、撮影レンズを中心とする回転の、3方向の手ブレの影響を軽減する「電子手ブレ補正」機能を搭載※。NIKKORレンズの光学手ブレ補正(VR機能)との併用で、より効果的にブレを軽減できます。
フルHD、HD動画にもアクティブD-ライティングを適用可能。輝度差の大きいシーンでも、ハイライト部やシャドー部のディテールを維持し、階調を滑らかに表現した、自然な明るさの映像が得られます。ポストプロダクションで画像調整をしない場合に便利です。
ゼブラ模様の表示で白とびを容易に確認できる「ハイライト表示」。必要に応じて、どの程度の明るさの部分をハイライト部として表示するか、255-180のレベルで設定できます。[255]を選ぶと、白とびする部分だけを表示します。ゼブラ模様の向きも、被写体の模様や質感に合わせて2種類から見やすい方を選べます。
マニュアルフォーカスで意図通りのポイントにピントを合わせたいとき、ピントが合っている部分を簡単に確認できる「ピーキング」表示機能を新たに搭載。表示色は被写体の色に応じて赤、黄、青、白から選択可能。検出感度も3段階で調節できます。HDMI接続で外部機器に同時記録している映像には録画されません。
マルチパターン測光ではハイライト部が白とびしてしまいそうな明暗差の大きなシーンでも、最も明るい部分を優先して測光し、ハイライト部の白トビを防ぎます。ピクチャーコントロール[フラット]との組み合わせで露出オーバーのハイライト部をより少なくし、微妙なトーンやニュアンスを保った階調性豊かな映像を撮影できます。
マニュアル露出時には、感度のみの自動制御で常時適正露出が得られます。暗い通路を抜けて明るい屋外へ出る人物を追うような、明るさが急激に変化するシーンを1カットで撮影する場合にも、シャッタースピードと絞りを固定して人物のブレ具合と被写界深度を一定に保てます。感度が高くなりすぎないよう、制御上限感度(ISO 200~Hi 2)の設定も可能です。
新たに搭載したアッテネーターは、急に大きな音を拾ったとき自動的にマイク感度を調整し、音のひずみを防ぎます。ボディーに内蔵のステレオマイクのほか、別売のステレオマイクロホン ME-1、ワイヤレスマイクロホン ME-W1にも対応。マイク感度(20段階)は音声レベルインジケーターで視覚的に確認しながら、動画撮影中でも調整できます。市販のステレオヘッドホンで音声のモニター(音量30段階)も可能です。さらに、楽器演奏や街のざわめきなど幅広いシーンに適した[広帯域]と、主に人の声の録音に適した[音声帯域]から「録音帯域」を選択可能。内蔵マイク使用時には「風切り音低減」も設定できます。
陽が昇る情景や、暗いところから明るいところへパンしたときのような輝度が極端に変化するシーンでも、動画専用の緩やかな露出制御で映像の明るさの変化を滑らかに描写。また、Pvボタン(+補正)とFn1ボタン(-補正)に「露出補正」※1機能を割り当て、動画撮影中でもISO感度の制御による滑らかな露出補正が可能です。Pvボタン(開放側)、Fn1ボタン(小絞り側)には「パワー絞り」※1 ※2機能も割り当てることができ、静粛かつ滑らかな絞り制御で、動画を撮影しながら明るさと被写界深度を滑らかに変更できます。
「静止画撮影メニュー」とは独立した、専用の「動画撮影メニュー」は、静止画と動画両方を扱うマルチメディア制作者の撮影効率を向上させます。静止画⇔動画を切り換えてもそれぞれの設定で撮影できるため、例えば、ピクチャーコントロール[フラット]で動画を撮影した後、素早く[オート]で静止画を撮ることなどがスムーズにできます。また、動画撮影中に(アイ)ボタンを押すと「動画撮影メニュー」にダイレクトにアクセスでき、効率的な動画撮影が可能です。