奥行きのある明るい緑が心地よい情景を、絞り開放で撮影しました。シャープに捉えた枝はもちろん、ディテールを繊細に描写した手前の葉が、奥の緑とその隙間から覗く空の、柔らかく大きく美しいぼけを背景に、同系色の中で見事に引き立っています。また、逆光のシーンながら、ナノクリスタルコートによってゴーストやフレアが効果的に抑えられています。

絞り開放からわずかに絞って、f/2で夜の工場を撮影した一枚。コマ収差が小さく、画面全域にわたって、照明の一つひとつを美しい点光源として自然に描写しています。プラント配管のディテールも、気になる色にじみもなくクリアーに再現。夜景や星の撮影に高く評価されたNoct-Nikkorの思想を受け継ぐ描写力が、存分に発揮されています。

優しい木漏れ日に満たされた林間に静かに咲く、ユニークな姿のマムシグサにフォーカスした一枚。シャープに捉えた花や茎の色、形状、そして葉の透き通るような明るい緑の繊細な描写と、背景の木立のなめらかなボケ味が対照的です。柔らかい描写で一つひとつが美しく丸くボケた木漏れ日が、この空間の心地よい静寂を象徴的に表しています。

30cmの最短撮影距離を活かして、可憐なコマクサに大胆に寄って撮影。絞りをf/4まで絞り込むことでボケ量を加減した背景は、近景から遠景までなめらかで自然なボケ具合に、美しく表現されています。手前の砂礫とコマクサの鮮明な描写と、優しく柔らかくも雄大な広がりを見せる背景との対比が、自然の懐の深さを感じさせます。