2010/07/08
ニコンは、米国、航空宇宙局(NASA)から発注を受け、現在国際宇宙ステーション(ISS)内の撮影記録機材として使用されているニコンのデジタル一眼レフカメラ「D3S」と交換レンズ「NIKKOR(ニッコール)」が宇宙で捉えた最新の画像を公開します。
今回公開する画像は、国際宇宙ステーション(ISS)に常駐しているニコンのデジタル一眼レフカメラ「D3S」や「NIKKOR」レンズ、スピードライト等のアクセサリー類によって撮影されたものです。これまでNASAによって宇宙に持ち込まれたニコン機材で撮影された写真は、70万枚以上におよびます。その中から宇宙ならでは風景を捉えた貴重な画像や、宇宙空間のような低光量下であっても、ノイズの影響を最低限に抑えることができる「D3S」だからこそ捉えることができた画像などを公開します。
ニコンはこれまで、完成度が高く耐久性に優れたカメラ、そして累計生産本数5000万本を達成しニコンの光学技術を集約した交換レンズ「NIKKOR」の開発・製造を通じて、永年にわたりNASAの宇宙研究活動に協力してきました。その歴史は1971年のアポロ15号で使用された「ニコンF」の改造カメラ「Nikon Photomic FTN※」から始まり、デジタルカメラ時代に移行しても、2008年に「D2XS」を納入し、現在も宇宙で活躍しています。そして、2009年にも、国際宇宙ステーション内の記録撮影用として、新たに「D3S」11台と交換レンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED」7本を受注しました。「D3S」は特別な改良が加えられることなく市販製品と同じものが、2010年4月5日に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー」によって宇宙に運ばれました。
また、ニコン製品は、宇宙環境以外でも、南極観測の公式観測用機材としてもニコンの機材が採用されています。いずれも過酷な環境に耐えうる、耐久性と信頼性、技術力で未踏の地での観測や研究に寄与しています。
ISSに常駐するニコン製品
- デジタル一眼レフカメラ「D3S」 1台 :2010年4月20日に帰還したスペースシャトルミッションSTS131でISSに配置済。地球表面とナイトシーンの撮影が中心。通常製品(改造なし)
- デジタル一眼レフカメラ「D2XS」 8台 :EVA(船外活動)に対応した、NASA専用の改造品
- 「NIKKOR」レンズ 36本(テレコンバーター 3本を含む)
- スピードライト SB-800 7台
- D2XS用アイピース4個 :NASA特注アイピース船外活動の際に、宇宙服(ヘルメット)越しにファインダー像を確認できるようにするためのNASA特注アイピースファインダー
- その他(フィルター、ケーブル等)
ニコン製品が捉えた主な画像
NASAに関連するニコンの歴史
- 1971年、アポロ15号で「NASA仕様 Nikon Photomic FTN※」が使用される
- 1980年、「ニコンF3」をベースとしたモータードライブ付き「F3 “スモールカメラ”」と長尺フィルム用「F3 “ビッグカメラ”」を納入。スモールカメラは翌年打ち上げられたスペースシャトルコロンビア号に搭載される
- 1991年、「ニコンF4」、「ニコンF4S」を納入
- 1999年、「ニコンF5」「AI AF Nikkor」レンズが、スペースシャトルディスカバリー号に搭載され、船外活動(EVA)の撮影機材として活躍する
- 2008年、デジタル一眼レフカメラ「D2XS」を納入。現在も点検・整備など、記録撮影用に6台の「D2XS」が、宇宙空間での撮影で活躍
- この他、国際宇宙ステーションにはすでに約15種類 35本以上のNIKKORレンズが備えられており、船外および船内の撮影に使用され、NASAの宇宙活動をサポート
※「ニコン F」に、TTL中央部重点測光が可能なフォトミックFTNファインダーを搭載したモデル