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梁 丞佑展
[だるまさんが転んだ]
9/4 (月)~9/16 (土)
10:00~19:00
9/10 (日) 休館 |
<写真展内容>
作者がこの街に初めて来たとき、いろいろな国の言葉が聴こえ、「ここは日本ではない。」と感じた。
煙草の吸殻を灰皿に捨てると、「変な奴だ。」と言われた。言った彼らは吸殻を投げ捨てる。言葉も乱暴である。しかし「分け合う。」ことを知っている。生活は貧しくても心は豊かなように思えた。
作者が撮影に出かけた日のことである。コインランドリーの入り口で雨宿りをしていた一人の中年男性がいた。その男性は血だらけであった。「どうしたの?」と聞いたら、その男性は作者の目を見て「だるまさんが転んだ…。」とだけ繰り返し答えた。温かい缶のお茶を差し出すと、「ありがとう。」と言って、じっと握っていた。でも作者がいるあいだは飲まなかった。
日本には<だるまさんが転んだ>という遊びがある。大人になっても「自分のことをだるまさんだと思っている。」人もいるのかもしれない。
この中年男性は子どもの遊びのように、負けたらだるまさんになる人生を繰り返してきたのだろうか。作者には転んでも起き上がる逞しさで歩んできたように思える。
この町には訳あって日本に出稼ぎに来ている人も少なくない。世界のだるまさんたちがここに寄り集まっているように感じられる。
だるまさんたちに祝福あれ。
モノクロ61点。 |
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<作者のプロフィール>
梁 丞佑(Yang SeungWoo)
1966年韓国生まれ。96年来日。2000年日本写真芸術専門学校卒業。04年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。06年同大学大学院修士課程修了。 |
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