2018年7月 4日(水) 〜 2018年7月10日(火) 日曜休館
2018年8月 2日(木) 〜 2018年8月 8日(水) 日曜休館
マモノとは、自分自身のことであり、同時に他者のことでもある。
人は移ろう時間に流されながらも、
様々なモノコトヒトに出逢いながら生きる。
時間に縛られながらも、毎日は出逢いにあふれている。
写真に写るのはマモノの分厚い皮膚に覆われている一番外側の部分にすぎない。
マモノは分厚い皮膚の内側に住んでいる。
それでも、マモノはたまに皮膚から外側に顔を出す。
その瞬間にマモノは写真に写る。
言葉に出来ないマモノを引っ張り出して、直接視覚野に電流を流す。
マモノは変幻自在に姿を変えて分厚い皮膚の内側に住んでいる。
単に探しただけでは見つからない。
シンパシーがないとマモノは掴めないのだ。
それでもマモノはたまに外側に顔をだす。
その瞬間を時にはじっと待ち、時には走って追いかける。
そして、マモノのシッポを掴むのだ。もう、決して離さない。
(トミモとあきな)
大阪の古墳と古墳の間の一軒家で生まれ育ち、大学時代は京都・銀閣寺の二軒隣の築100年以上の家で下宿し、現在は東京在住。
幼少期より、自身の中にある好奇心旺盛な部分と自身を俯瞰している部分の二面性を感じていた作家は、「トミモとあきな」と表記して作品を発表している。よって二人組ではない。西洋人の外見と、日本人の内面のコントラストによる屈折が作家と作品の魅力となっている。
作者が写真を始めたのは、同居していた祖父が二眼レフを愛用していた影響である。13歳の頃に当時180万画素のデジタルカメラをお年玉で購入したことをきっかけに日々写真を撮り始めた。大学時代の暗室作業実習をきっかけにブローニーフィルムで撮影を始め、また同時に本格的に写真家を志した。瀬戸正人氏に師事。
現在は、フィルム・デジタルを問わず記憶の虚実性をテーマに作品を制作している。
今回、虚実の中からの真実を探求する試みを「マモノ」という表題にのせて制作した。
脳は平気で嘘をつき、自身の記憶に騙されながらも共有する何かを信じ合って人々は生きている。感覚器も違うので、同じものを見ても同じようには見えない。それでもこの紙にプリントされた写真を見て新たな出会いと記憶を生む。その出会いに多方面の感情を生むことを目的としている。
また、今年10年目となる「トミモトラベル」というバスを見失ったバスガイドに扮するアートパフォーマンスも行っている。昨年、第21回FUJI ROCK FESTIVAL’17に「MAJOR FORCE」のボーカルとして出演した。